『Lobsterr Letter』は、 世界中のメディアから「変化の種」となるようなストーリーをキュレートするウィークリーニュースレターです。
コンパクトな文量で、 ロングスパンの視座を。 皮肉や批判よりも、 分析と考察を。 ファストフードのようなニュースではなく、 心と頭の栄養となるようなインサイトを。
目まぐるしく進む社会のなかで、 立ち止まり、 深呼吸をして、 考えるためのきっかけをお届けします。
過去に配信したニュースレターのアーカイブです。登録するとこのようなニュースレターが毎週届きます。
Vol.20 | 2019.7.29
ただ一方的に情報を発信するだけでなく、さまざまな立場や意見をもった人々の間に立って議論を促すモデレーターの在り方は、これからのメディアにも求められるものなのだろう──。
7月中旬にSHIBAURA HOUSEで行われた「アート・オブ・モデレーション
-多様性からコンセンサスを導く方法-」というワークショップに参加をしたのは、そんな問題意識からだった。オランダでプロのモデレーターとして活躍するバート・コゼインさんを講師に迎え、質の高いディスカッションを行うためのスキルとマインドセットを学ぶ2日間である。建築スタジオで働いていたバートさんがフリーランスのモデレーターに転身したのは約10年前のこと。あるイベントでモデレーションをしている人を見て「自分にもできるかもしれない」と思い、....
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Vol.19 | 2019.7.22
先日、『WIRED』日本版編集長の松島さんと対談していたときに、「Realities」という概念を教えてもらった。単数形のRealityではなく、Realitiesという複数形。まさに今号の『WIRED』の「MIRROR
WORLD」という特集が示唆しているように、現実、というのはひとつだけではない。現実は複数存在するのだ。
卑近な例だが、仕事の自分とプライベートの自分は違う。Lobsterrの自分とInstagramの自分は違うし、TwitterとFacebookでも違う。もっと若い世代だと、Snapchatを使いこなしているかもしれない。それぞれの自分が、それぞれの現実として存在する。さらに、VTuberとして18歳の女の子として可愛い仕草で異性や同性を魅了していたとしても、そういう自分もリアルである(本当にしてはいるわけではないし、しているかもしれない)。現実というものは重層的で、並行...
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Vol.18 | 2019.7.16
わたしたち人間は、ひとりでできることが非常に限られている生き物だ。生きている間にいくつかのことしか得意になれないし、1日の数時間しかきちんと集中できなければ、同時に自分の頭で考えられることの数は片手で数えられるくらいだろう。
しかし、幸いなことにわたしたちには「他者と協力をする」という特別なスキルが備わっている。わたしたちは他者と協力し、お互いの長所をリスペクトし、弱点を補い合うことで、自分ひとりでは到底成し遂げられないことをやってのけることができる。チームになることによって、そこにいる一人ひとりが独立したときと比べて断然強く、より聡明で、賢く、有能になれる可能性を手にすることができるのだ。...
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